こんにちは、まあやです。今回は私たちがスマトラ島のKrakakoa農家を訪れたときのことを記します。
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2019年8月30日。
うっすらと額に汗がにじむようなじわりじわりとくる暑さ。
快晴でも曇天でもない。この日はそんな中途半端な天気だった。
私がこの村を訪れた目的はただ一つ。
Krakakoaチョコレートのカカオ豆を作る農家に会うためだ。
朝4時半にホテルから車を飛ばすこと約3時間。いくつものカーブを曲がりながら山道を登ったとき、その村は現れた。
“We’ve arrived” ドライバーのおじさんの声と共に私たちは車から降りる。
そこにあったのは、ぽつんと佇む小さな家をぐるりと取り囲むようにして広がった大きなカカオ農園だった。
車を降りると、農家らしき人が数人その家の前でくつろいでいた。
ドライバー(兼通訳)のおじさん(以下ジュマディ)が彼らと何やら話したあと、「この人がこの農園のオーナーだ」と一人の小柄な男性を紹介してくれた。
彼の名前はパタフィ。
2001年からカカオ農家をやっているれっきとした熟練だ。
しかし、その長いカカオ農家としての経歴とは裏腹に、彼がKrakakoaと関わり始めたのは2015年からだという。
「同じカカオ農家でも、Krakakoaの契約農家になることで、実際に農家の生活はいったいどう変わるんだろう」
これが、今回の訪問での1番の関心事であった。
“How did his life change by being engaged in Krakakoa?”
私たちの英語の質問をジュマディがインドネシア語でパタフィさんに伝える。
「カカオの買値が高くなったんだ。おかげで収入が上がった。息子に新しいバイクを買ってあげたりスマートフォンを買えるようになったんだ。」
彼の話は続いた。
どうやら、完成するのが待ちきれないようだ。
新しい家は今のものより大きく、大きな新しい家を建てるのがずっと念願だったそうだ。
パタフィさんとその家族の胸はきっと新生活への期待でいっぱいであることだろう。
この事実を自分の目で確かめることができたのは今回の訪問で一番の収穫であった。
もし、スマートフォンがあったら。
もし、息子に新しいバイクを買ってあげたら。
もし、家族のために新しい家を建てられたら。
「自分たちのやってきたことが、この人たちの生活に影響を及ぼすんだ。」
パタフィさんの家が完成したら、もう一度訪問してみたい。
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